北九州発の終活情報誌
「もしもの広場」
斎場見学ってどんなもの?
皆さんは「斎場見学会」と書かれた広告やのぼり・看板をご覧になられたことはありませんか?
また、実際に見学会を行っている斎場にご来場されたことはありますか?
私どもの斎場でも年に二回、見学会を行っています。「見学会」といってもそれぞれの葬儀社さんによって内容は異なるかと思いますが、私どもの斎場ではこんな内容でおこなっています。
まず、商品の展示ですが、お骨壺やお棺・お礼の品物(会葬礼品)・お料理・遺影写真用の額・霊柩車等、お葬儀に必要な物の価格を表示して展示します。各コーナーで商品の説明を いただいたりお料理は試食もできるようになっています。その他に祭壇の展示ではただ、展示するだけではなく実際に目の前で活けて行くという実演も行うこともあります。
また、日頃なかなか目にすることのできない「湯灌」の実演も行っていますが、毎年ご覧くださったお客様より「初めて見たけど、すごく良かった」というお声をたくさんいただいています。
私たちはもしもの際、どんな内容のお葬儀にされるかをご遺族の方とお打合せさせていただきます。一つ一つの商品の実物を見ながら決めていくことができないので、ご遺族様にはカタログ の中から商品を選び決めていただきます。
実際の商品を見学会で見ておくことでカタログではわからない商品の雰囲気や価格や素材を比較しながら決めるなどといったことが可能になります。 見学会では事前相談コーナーを設置しているので全体の流れや金額を商品を見ながらご説明させていただいたり、詳しく決めておくということも可能です。
会場では、少しでも役立つ情報を ご来場くださった方にお届けしたいという思いから商品の展示だけでなく「相続」や「遺言」「成年後見」をテーマにした「いざという時に役立つ法律セミナー」や「お葬儀の費用」に関するセミナー も開催しています。こういったセミナーには私たちの予想を上回る人数の方が参加してくださることもあります。
また、その他にご来場くださった方に楽しんでいただく催しも行っています。 例えば見学しながらちょっと一息ついていただけるように喫茶コーナーをご用意し、コーヒーやお抹茶、スィーツをお召し上がりいただけるようにしています。
新鮮な野菜や果物の販売、天然 酵母のパンの販売も行っています。ご来場の記念品として実際にご会葬のお礼の品物に使用されている礼品などを粗品としてお持ち帰りいただき商品の試食をしていただくということもあります。
そして新たに三年ほど前から始めた取り組みとして「いのちのつながりの大切さ」をテーマとした講演会を行っています。私たちはお葬式のお手伝いをさせていただく中で忘れてはならない 大切なことに気づかされることがあります。
それは、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、その先に曾おじいちゃん、曾おばあちゃんがいて、命は遡っていくと宇宙の始まりまで 続いているということ。そしてその誰かが一人でもかけてしまうと自分はここにいないのだという奇跡です。
当たり前のことだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが私たちはこういったことを 日頃意識せずに過ごしてしまいがちです。講演会にはこれまで「いのちのまつり」という絵本の作家さんや、助産師さん、尼さんを講師としてお招きしてこのような「いのちのつながり」についての お話しをしていただきました。
会場には百五十名以上の方が講演を聞きに来てくださることもあり貴重なお話しに涙する方も多くいらっしゃいます。お帰りの際にいただくアンケートでは、 「初めて見学会に参加しましたがとても参考になりました」というお声や「このような講演会を続けてほしいです」「素晴らしいいお話に涙が止まりませんでした」というお声などたくさんの嬉しい お声をいただいています。
私たちはお葬儀の現場で人と人との絆や心の美しい部分、反対に目を伏せたくなる現実など、様々な物を目にしそこから学ばせていただいています。そんな中でも「いのちのつながり」の大切さ に気付きもう一度家族の絆や命の尊さ、人と人の繋がりを見つめ直していくことは現代社会の多くの問題の解決の糸口になるのではと考えるようになりました。
それぞれの葬儀社でそれぞれの 見学会や催し、活動をしていると思います。ぜひ一度、地域の葬儀社がどんなことをしているのか目を向けてみていただければと思います。