北九州発の終活情報誌
「もしもの広場」
葬儀はいくらからできますか?
「葬儀は、最低いくらからできますか?」
「積み立てはできますか?」
電話や立ち話でよく相談されるのが、これらの問いです。実は、これらは難しい質問です。なぜ「難しい」のか?それは、電話や立ち話程度で簡単に済む内容ではないからです。
具体的に言うと、お互いの考えている「最低の葬儀内容(葬儀のイメージ)」が、はっきりと確認ができなければ、お客様と業者とで大きなギャップが生じる恐れがあるからです。
確認のできないまま話を進めて、後で困ったことにしたくないから「簡単には答えられない」難しい質問なのです。
お客様の中には「簡単」とか「便利」にばかり目が向いたり、話の中身をご自分の尺度だけで理解してしまったりする方がいらっしゃるようです。
たとえば、積立制度を勧める会社の「毎月わずかな掛金で、積み立て金額の2倍以上の葬儀を保証!」という謳い文句に乗ってしまった方。 この「わずかな掛け金」を簡単・便利と考え、「積立金の2倍」を額面以上に解釈され、「これさえあれば十分」と思い込んでいるようです。
ところが、支払の段階でその積立金を遣っても、それ以上に高額な請求だったという事例はよくあることです。 「手っ取り早く話しを聞きたい」というお客様にこそ、腰を据えて説明をしたいのですが「(そんな面倒は嫌だ)もういい」と、話しを切られてしまうこともあります。
しかし、葬儀を行う際の家庭の状況や費用も含めた葬儀に関する希望を把握した上で、それぞれの家庭に適したアドバイスやプランを提示し、それに伴って最終的な費用の目安(見積り)を説明するのが葬儀社として責任ある態度だと思います。
じっくりと話しをしたお客様の大多数からは、「話すことで、知らなかったこと、気づいていなかったことを発見できた。」とか、「前もって考えておくことで、その時にあわてずに対応できた。」と、言うような言葉をいただいております。
「死を前もって考えるなんて」と言うお気持ちはよくわかります。
しかし、葬儀に関することは隣同士であっても、同じ家族であっても異なることがたくさんあるのです。ご家族を送った経験が、そのまま別の葬儀に役立つとは限りません。
だから、「前もって」「じっくりと」考えることが大切なのです。
子供がいない場合、宗教者とのお付き合いがない場合、子供と離れて生活している場合などは、特に事前に考えておくことがたくさんあります…