北九州発の終活情報誌
「もしもの広場」
コラム「返礼の仕方」
わざわざ遠くまで足を運んだのに、返礼品がなかったんですよ!
知り合いの通夜と葬儀に参列したある方の言葉です。この方は、通夜に香典を持参したところ、返礼品を受け取りました。
しかし、葬儀にはお参りだけしたところ、何の返礼品もなく記帳だけだったということのようです。葬儀の際の返礼品には、香典の有る無しにかかわらず通夜に来ていただいた方へのお礼として「通夜菓子」が、葬儀に来ていただいた方へのお礼として「会葬御礼」があります。
さらに、香典をいただいた方へ、後日香典返しする手間が省けるからとその日のうちにお返しをする「当日返し」があります。この方の参列した葬儀では、「当日返し」だけしか準備していなかったため、冒頭のような受け取り方になってしまったようです。
「家族葬をしたい」と考える人の中には、返礼品も含めた葬儀の多様な煩わしさを避けたいからという理由の人も多いと聞きます。そんなときに、「これを使うと一つだけ渡しておけばよいから楽ですよ」と3,000円前後の「当日返し」を業者から勧められるとついついそれに乗ってしまいがちです。
しかし、このような返礼の仕方だと、せっかくの香典が残らないばかりか、むしろ赤字になるケースもあります。
「家族葬だから会葬者は少ない」と簡単に考えていたところ、予想外に多くの参列があり、返礼品に大きな出費を要したとか、冒頭のような会葬者に礼を失することが起きたりすることもあります。葬儀の際の返礼品(通夜菓子、会葬御礼、当日返し)に関しては、多種多様の返し方、考え方があります。
また、返礼品以外にも葬儀にはたくさんのことを考え決めていかなければなりません。それも、大切な家族を失い、気が動転している中での決め事です。
場合によっては、金銭面だけではなく、葬儀後にも関係してくる重要なこともあります。葬儀は、予想外のことが起きることが多く、何もかも「ベストの選択」をするのは難しいと思いますが、「ベストに近い選択」をすることは可能です。
そのために、皆さん方にとって良い葬儀社を選択することと、事前に知識を持っておくことや事前準備が重要であると思います。