葬儀・告別式葬儀の流れ(北九州版)#3
葬儀・告別式
葬儀前の会食(おとき)の最近事情
法事の会食全般をお斎(おとき)と呼びますが、北九州地域では葬儀の前におこなう風習があります。精進料理のお弁当を用意して、僧侶と遺族・親族が故人と最後の会食を共にします。
また、受付等をお手伝いいただく世話役にもお斎を用意する場合もあります。ご年配の方は、このお斎を「出立ちの膳」とも呼び、慣れ親しんだ慣習です。
以前は、葬儀の開式時間として午後1時が最も人気が高く、お斎と昼食時間帯が一致していましたが、近年になり火葬後に初七日法要と精進揚げをおこなうケースが増加したために開式時間を繰り上げる傾向が強まり、現在では11時開式が主流となりました。これにより昼食時間を外れたお斎を省略するケースが増えています。
また家族葬など、身内中心で小規模なお葬式を行なう場合には、しきたりや風習を簡略化する傾向があり、お斎を行なわないことも多くなりました。
とはいえ、どこかのタイミングで昼食をとる必要があります。例えば11時開式の葬儀なら12時には閉式して火葬場へ向かいます。北九州市火葬場には、食堂も用意されていますので火葬の待ち時間(約1時間半)を利用して昼食をとることもできます。
葬儀の開式までに準備しておく事項
ここでは、葬儀に際して遺族が用意しておくべき事柄を記載しております。
葬儀当日は、開式までに時間の余裕がありません。前日までにあらかじめの手配を終えるよう心掛け、当日は最終的な確認をするくらいのつもりでゆとりを持って準備を進めましょう。
- 遺族・親族および来賓の席順(通常は、席順がそのまま焼香順になります)
- 供花の並び順と弔電の読み上げ順。
- 弔辞がある場合には、その方へのご挨拶。
- 代表謝辞(喪主もしくは遺族や親族の代表者)の確認。
- 御棺に納めたい品物を用意。
- 出棺の際の位牌・遺影・骨壺を持つ方、御棺を持つ方の確認。
- 霊柩車に乗る方、火葬場へ同行する方、その配車の確認。
- 香典の管理をする責任者の確認。
*上記は、一般葬における例ですが、家族葬などの場合でも????の項目は同様の準備が必要です。
葬儀当日は、葬儀社の担当者や司会者も上記の点を常に心掛けてご遺族に確認をいたしますので、不安な事があればすぐにお尋ねください。
葬儀・告別式を執り行いますの進行例(宗教別)
ここでは、北九州地域に於ける一般的な葬儀・告別式の進行例を宗教別にご紹介します。
仏式の葬儀・告別式
- 遺族・親族は、開式10分?15分前には着席して待ちます。
- 導師(僧侶)入場。
- 開式の辞。(※宗旨によっては、開式の辞より前に「帰敬式」が行われ、その後開式となります。)
- 導師により読経、引導渡しがおこなわれます。(故人を仏の道に導くという意味の「引導」の儀式です。)
- 読経、導師焼香。
- 喪主焼香。(この時は、喪主のみ焼香します。他の遺族・親族は焼香しません。)
- 弔辞。(事前に依頼した方、または申し出のあった方に弔辞を拝読していただきます。)
- 弔電披露。(順番、全文またはご芳名のみ披露など事前に司会者と打ち合わせをします。)
- 喪主または、遺族代表のあいさつ。(会葬者へ謝辞を述べます。)
- 読経、焼香。(再び、読経が勤められます。遺族・親族から焼香します。続いて会葬者の焼香に移ります。この時、喪主と遺族代表は、焼香台の脇にて立礼をします。)※寺院の指導により立礼をおこなわない場合があります。
- 導師(僧侶)退席
- 閉式の辞
神道の葬場祭・告別式
- 遺族・親族は、開式10分?15分前には着席して待ちます。
- 斎主入場。
- 開会の辞。
- 修祓の儀。(斎主が、祭場・参列者・供物などを祓い清める儀式です。お祓いを受ける際は、頭を下げてこれを受けます。)
- 献饌、奉幣の儀。(副斎主が、神饌と供物を供え、楽員が雅楽を奉じます。)
- 祝詞奉上。(斎主が、祭壇前で祝詞を奉上します。祝詞には故人の略歴や人柄などを盛り込み故人が守護神となり遺族を守るよう祈ります。奉上中、参列者は全員低頭して拝聴します。)
- 誄詞(るいし)奉上。(副斎主が、故人の人徳を偲び故人の足跡を述べ、誄詞を奉上します。
- 斎主拝礼。(斎主が拝礼し、一同がこれに従って拝礼します。)
- 弔辞拝受。(事前に依頼した方、または申し出のあった方に弔辞を拝読していただきます。)
- 弔電紹介。(順番、全文またはご芳名のみ紹介など事前に司会者と打ち合わせをします。)
- 玉串奉奠。(斎主が最初に玉串を捧げ、続いて喪主・遺族・親族と席次に従って玉串を捧げます。この時、二礼・二拍手・一礼をしのび手でおこないます。)
- 撤饌、撤幣の儀。(副斎主が、供えた神饌と幣はくを下げます。)
- 斎主退出。
- 喪主または、遺族代表のあいさつ。(会葬者へ謝辞を述べます。)
- 閉式の辞
古神道神理教の葬場祭
- 遺族・親族は、開式10分?15分前には着席して待ちます。
- 斎主・斎員が入場し、開式します。
- 修祓の儀。
- 帰幽詞奏上。
- 遷霊の儀。(この間、消灯されます。)
- 告別詞奏上。
- 発棺詞奏上。
- 祈念詞奏上。
- 喪主、玉串拝礼。(喪主のみ祭壇前まで進み玉串を奉奠します。この時、二礼・四拍手・一礼をしのび手でおこないます。)
- 弔辞奉読。(事前に依頼した方、または申し出のあった方に弔辞を拝読していただきます。)
- 弔電拝読。(順番、全文またはご芳名のみ紹介など事前に司会者と打ち合わせをします。)
- 遺族代表謝辞。
- 遺族・会葬者玉串拝礼。(遺族・親族に続いて会葬者が玉串を奉奠します。この時、喪主と遺族の代表は奉奠台の脇にて立礼をします。)
- 斎主にならい拝礼(両段再拝)。
- 閉式。
- 斎主・斎員退下。
カトリックの葬儀ミサ・告別式
カトリックの場合は、通夜のつどいのほとんどが斎場か自宅でおこなわれ、葬儀ミサは必ず教会でおこなわれます。
カトリックでは、故人に応じた式次第がその都度作成されますので、ここでは一例をご紹介します。
- 教会から配られる葬儀ミサのしおりを受け取り着席して開式を待ちます。
- 奏楽。(棺を祭壇前に移動して安置する入堂式がおこなわれます。)
- 賛美歌斉唱。
- 献香。(司祭が、棺に聖水を掛ける「撤水」をおこないながら棺と祭壇の周囲を回って香を振りかけます。)
- 集会祈願。
- ことばの典礼。(聖書の朗読や詩編の朗読、福音書朗読があります。)
- 追悼説教。(司祭によりおこなわれます。)
- 共同祈願。
- 感謝の典礼。(奉納祈願、主の祈りなどがおこなわれます。)
- 聖体拝領。(司祭が感謝の祈りを捧げ、祭壇前にてパンを拝領します。)
- 拝領祈願。
- 告別式。
(葬儀ミサに引き続きおこなわれます。) - 賛美歌斉唱。
- 司祭のことば
(故人の略歴などが紹介されます。) - 献香。
- 祈り。
- 司祭献花。
- 弔辞。
- 弔電披露。
- 遺族代表あいさつ。
- 奏楽。
- 献花。(喪主より順番に献花をします。参列者献花の時には、喪主と遺族の代表が献花台の脇にて立礼をします。
献花が終わると閉式になります。
プロテスタントの葬儀式
プロテスタントの場合は、前夜祭のほとんどが教会でおこなわれ、葬儀式は必ず教会でおこなわれます。
プロテスタントでは、故人に応じた式次第がその都度作成されますので、ここでは一例をご紹介します。
- 遺族・親族・参列者は、受付にて葬儀式のしおりを受け取り、開式10分?15分前には着席して開式を待ちます。しおりには、式の流れや故人の略歴、式中に朗読される聖書の一節、賛美歌などが印刷されています。
- 奏楽。オルガン演奏の中、牧師が入場して開式します。
- 聖書朗読。牧師が聖書を朗読します。
- 祈祷。
- 賛美歌斉唱。(全員起立して賛美歌を歌います。生前、故人が愛した賛美歌が選ばれます。)
- 説教。(牧師が故人の略歴などを紹介して、故人の信仰のあり方や信心の様子などを通じて参列者に信仰とは何か?などの話をします。
- 祈祷。
- 弔辞・弔電紹介。
- 賛美歌斉唱。
- 祝祷。
- 奏楽(オルガン演奏)。
- 遺族代表挨拶。(喪主または、遺族の代表者が前に出て挨拶をします。)
- 献花。(喪主より順番に献花をします。参列者献花の時には、喪主と遺族の代表が献花台の脇にて立礼をします。)
- 閉式。
創価学会の友人葬
- 遺族・親族は、開式10分?15分前には着席して待ちます。
- 導師(儀典長)の入場で葬儀が始まります。
- 導師により勤行がおこなわれます。
- 導師が焼香します。
- 喪主焼香に続いて遺族・親族が焼香します。
- 弔問客が焼香します。(この時、喪主・遺族代表は焼香台の脇にて立礼をします。)
- 創価学会より名誉称号や功労者名簿などが紹介される場合があります。
- 導師の挨拶があります。
- 弔電奉読をします。
- 遺族代表が挨拶をします。
- お題目三唱をします。
- 導師(儀典長)退場で葬儀が終了します。