初盆・年忌法要葬儀の流れ(北九州版)#8
初盆・年忌法要
初盆を迎える準備をします
北九州地域の風習では、初盆の家へ近親者はもとより、故人と親しかった方がお参りに訪れます(お盆の期間は、8/13?8/15です)
- 菩提寺へお参りに来ていただける日を確認しておきます。寺院では、お盆の期間に多くの檀家をお参りしますので8/10頃から檀家回りを始めます。
ただし、初盆の家には優先して8/13?8/15の三日間に合わせてお参りしていただけるようです。また、寺院によっては、お盆の合同供養を寺院本堂にておこなうケースもあります。 - お仏壇をきれいに掃除して、盆祭壇(精霊棚)を仏壇の前側あるいは横側に設けます。祭壇には、位牌と遺影を安置し生花や供物をお供えします。
この段は、葬儀後の忌中に使用した後飾り段がある場合は再度利用します。
また、有料になりますが葬儀社へ祭壇設営を依頼することもできます。 - 仏壇と盆祭壇の両脇には盆提灯も飾ります。提灯は、天井から吊るすタイプの提げ提灯と床に置く据え提灯があります。
また、玄関には故人の霊を迎えるための迎え提灯を飾ります。迎え提灯の表側には家紋を描き、裏側には家名を書きます。
迎え提灯は、初盆の家の目印ともなり弔問客が家を訪ねて探す際にも助かります。 - 弔問客をもてなす飲み物や茶菓子の用意と、お持ち帰りいただく粗供養品を手配しておきます。
葬儀社に依頼して余った時には返品できるようにしておきます。
命日・月忌・百ヶ日法要について
- 故人が亡くなった日を「命日」といいます。
- 毎月ごとの亡くなった日と同じ日を「月忌(がっき)」といいます。
- 毎年ごとの亡くなった日と同じ月・同じ日を「祥月命日(しょうつきめいにち)」といいます。
- 法祥月命日の内、特定の年に営む法要を「年忌法要」といい、毎月の命日に営む法要を「月忌法要」といいます。
- 命日から百日目にあたる百ヶ日法要は、卒哭忌(そっこくき・そっこうき)ともいい、故人を亡くしなげき悲しんだ日を終える節目の法要であるとも言われます。
ただし、この法要も最近では、身内だけでおこなう場合が多いようです。
一周忌法要を執りおこないます
故人が亡くなって1年目の祥月命日に一周忌法要を執りおこないます。一周忌法要は、忌明け(四十九日)法要と並び最も重要な法要と考えられています。
- 僧侶を迎え、親戚を招く一周忌法要ではしっかりとした準備が必要となります。
- 菩提寺のご住職と相談のうえ、日時を決めます。
- 会場を決定します。自宅か菩提寺、又は斎場から選びます。
- 招待する方を決めて通知します。案内状を送るのが丁寧な方法ですが、少人数の身内のみで行うようなケースでは電話連絡 でもよいでしょう。
*案内状を送付する場合には、返信ハガキを同封して返事をいただきます。
出欠者の氏名や・家族の人数等を知らせてもらいます。また、会食を用意する場合には、その旨もきちんと伝えます。 - 出席者が決まれば、会食の手配ならびに引き物の手配をします。
- 当日にお渡しする僧侶への謝礼(御布施・御車料・御膳料など)も事前に用意しておきます。
- 法要では、僧侶に読経をお勤めいただき、出席者全員が焼香します。
法要が終了したら、お斎(会食)へ移ります。施主がお礼の挨拶を述べてから始めます。 - 一周忌法要と併せて納骨をおこなう場合は、事前に菩提寺のご住職と納骨式の打ち合わせをしておきます。
三回忌以降の年忌法要
- 一周忌の翌年の祥月命日が三回忌となります。(三回忌以降の年忌法要はすべて死亡した年を含めて数えるためであり二周忌というものはありません。勘違いしやすいので気を付けてください)
- 三回忌法要までは、親戚を招いておこなう場合もあります。
その際には、一周忌法要と同様の準備が必要となります。 - 三回忌以降は、
七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌・二十七回忌・三十三回忌・五十回忌
(以降50年毎)となります。
弔い上げと永代供養について
- 弔い上げとは、三十三回忌あるいは五十回忌を最後に年忌法要を終えることをいいます。しかし、
核家族・少子化が進む現代では何十年にも渡って法要を続けて行くことが困難な家もあります。
この場合に、三回忌や七回忌法要を済ませた後に、菩提寺へ永代供養を依頼することもできます。 - 33年あるいは50年といった長い間、先祖の供養を続けてこれたのはその家が繁栄を続けた証だとして大変おめでたい行事と考える方も少なくありません。どちらにしても、年忌法要をどのように勤めていくのかは大事な問題ですので、家の事情を考慮しながら、菩提寺のご住職とよく相談して執りおこなっていきます。
法要カレンダー
仏式の法要
忌 日 法 要 | 初七日 | 死後 7日目(中陰) | 中 陰 | 葬儀当日に行われることが多い |
---|---|---|---|---|
二七日 | 〃 死後 14日目(中陰) | 遺族だけで行うことが多い | ||
三七日 | 〃 死後 21日目(中陰) | 遺族だけで行うことが多い | ||
四七日 | 〃 死後 28日目(中陰) | 遺族だけで行うことが多い | ||
五七日 | 〃 死後 35日目(中陰) | 繰り上げて忌明けの法要を行う場合も | ||
六七日 | 〃 死後 42日目(中陰) | 遺族だけで行うことが多い | ||
七七日 | 〃 死後 49日目(満中陰) | 満中陰 | 忌明けの法要。納骨をすることも多い | |
百ヶ日 | 〃 死後 100日目(卒哭忌) | 卒哭忌 | ||
年 忌 法 要 | 一周忌 | 〃 死後 1年目(喪中) | 喪 中 | 親戚・知人などを招いて行う重要な法要 |
三回忌 | 死亡年を含め3年目 | 親戚などを招いて行うことが多い | ||
七回忌 | 〃 死後 7年目 | |||
十三回忌 | 〃 死後 13年目 | |||
十七回忌 | 〃 死後 17年目 | |||
二十三回忌 | 〃 死後 23年目 | 省略する場合もあります | ||
二十七回忌 | 〃 死後 27年目 | |||
三十三回忌 | 〃 死後 33年目 | 省略する場合もあります | ||
五十回忌 | 〃 死後 50年目 | 以降は、50年ごとに |
神道の霊祭
墓 前 祭 | 翌日祭 | 葬儀の翌日 | 最近ではあまり行われない |
---|---|---|---|
十日祭 | 死亡日から 10日目 | 神官を迎え、近親者などでおこないます | |
二十日祭 | 〃 死亡日から 20日目 | 遺族だけで行うことが多い | |
三十日祭 | 〃 死亡日から 30日目 | ||
四十日祭 | 〃 死亡日から 40日目 | ||
五十日祭 | 〃 死亡日から 50日目 | 神官・親戚・知人を招いて行う重要な霊祭 | |
百日祭 | 〃 死亡日から 100日目 | 神官を迎え、近親者などでおこないます | |
式 年 祭 | 一年祭 | 1年目の祥月命日 | 神官・親戚・知人を招いて行う重要な霊祭 |
二年祭 | 2年目の祥月命日 | ||
三年祭 | 3年目の祥月命日 | ||
五年祭 | 5年目の祥月命日 | ||
十年祭 | 10年目の祥月命日 | 神官・親戚・知人を招いて行う場合も | |
二十年祭 | 20年目の祥月命日 | 省略する場合もあります | |
三十年祭 | 30年目の祥月命日 | ||
四十年祭 | 40年目の祥月命日 | ||
五十年祭 | 50年目の祥月命日 | ||
百年祭 | 100年目の祥月命日 | 以降は、100年ごとに |
キリスト教の追悼儀礼
カトリックでは、仏教の法要にあたるものとして追悼ミサがおこなわれます。
亡くなった日から3日目・7日目・10日目におこなう場合もありますし、日本の風習に合わせて七日毎や一周忌・三回忌を記念日とし、ミサを依頼する場合もあります。
また、カトリック教会では、11月を「死者の月」と定めているところから、死者のためにミサや追悼の祈りがありますので、その時に遺族がミサを依頼することもあるようです。
なかでも、11月2日は「死者の日(万霊節)」とされ、すべての死者の魂に祈る特別なミサがおこなわれています。
プロテスタントでは、記念式と呼ばれる追悼儀礼があります。亡くなってから1ヶ月目の召天記念日に記念式をおこなうほか、1年目および2?3年目にも記念式をおこなう場合がありますが特に年数に決まりはありません。
記念式は、自宅に牧師を招いておこなうことが多いようです。
孟蘭盆会
盂蘭盆会(うらぼんえ)とは、父母や祖霊を供養し、倒懸(とうけん)の苦を救うという行事です。
一般にはこの「盂蘭盆会」を、「盆会」「お盆」「精霊会」(しょうりょうえ)
「魂祭」(たままつり)「歓喜会」などとよんでいます。
語源はサンスクリット語(梵字)の「ウラバンナ」(逆さ吊りの苦しみを救う)という意味からなっているそうです。