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北九州発の終活情報誌
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葬儀費用について考える3<役所関係>

 役所関係の費用として最初に必要になるのが「火葬場使用料(自治体・地域組合によって名称が異なる場合があります)」です。
二十歳以上で亡くなった人がその自治体 (地域組合)内に住民票を持っている場合は一万円程度、別の地域に住民票がある場合はそれよりも高くなります。

病院(検視した医師)が作成する「死亡診断書(死体検案書)」の左半分が「死亡届」になっていて、必要事項を記入後この届と同時に火葬場使用料を納めます。「死亡届」の原本は 役所が回収しますので、提出前に必ずコピーをとっておきましょう。
(葬儀社が代行する場合は葬儀社でコピーをとっています)

葬儀終了後、いろいろな手続きに前記の「死亡届」だけでなく、住民票や印鑑証明、場合によっては所得額証明や納税証明なども必要になることがあります。これらはお住いの自治体の 役所で取得することができますが必ず手数料がかかります。
また、手続きに戸籍謄本(全部事項証明)が必要になることも多々あります。戸籍謄本は本籍地のある役所でしか発行できません。 各種証明書を「郵送による発行」という方法で依頼することもできますが、その際は依頼書(自治体独自の様式)に身分証明などの添付が求められます。同時にその送料を負担することとお手元に 届くまでにある程度の日数がかかることも覚えておきましょう。

不動産の名義変更に関してはその不動産物件の登記されている法務局で手続きをします。名義を変更した場合登録免許税が必要になりますがそれは不動産の評価額によって変わります。
手数料は住民票などが二百から三百円程度、戸籍謄本で七百から八百円程度です。ただし、それらの証明書の提出先によっては原本を返却しない場合がありますので、それぞれの必要な枚数をきちんと 確認してから窓口に出向くようにしましょう。

居住地区の自治体役場 火葬場使用許可証(埋葬許可証)
住民票
印鑑登録証
所得額証明
納税証明
本籍地の自治体役場 戸籍謄本(全部事項証明)
戸籍抄本
不動産の登記(登録免許税) 法務局(出張所を含む)

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斎場見学ってどんなもの?

皆さんは「斎場見学会」と書かれた広告やのぼり・看板をご覧になられたことはありませんか?
また、実際に見学会を行っている斎場にご来場されたことはありますか?
 私どもの斎場でも年に二回、見学会を行っています。「見学会」といってもそれぞれの葬儀社さんによって内容は異なるかと思いますが、私どもの斎場ではこんな内容でおこなっています。

 まず、商品の展示ですが、お骨壺やお棺・お礼の品物(会葬礼品)・お料理・遺影写真用の額・霊柩車等、お葬儀に必要な物の価格を表示して展示します。各コーナーで商品の説明を いただいたりお料理は試食もできるようになっています。その他に祭壇の展示ではただ、展示するだけではなく実際に目の前で活けて行くという実演も行うこともあります。
また、日頃なかなか目にすることのできない「湯灌」の実演も行っていますが、毎年ご覧くださったお客様より「初めて見たけど、すごく良かった」というお声をたくさんいただいています。

 私たちはもしもの際、どんな内容のお葬儀にされるかをご遺族の方とお打合せさせていただきます。一つ一つの商品の実物を見ながら決めていくことができないので、ご遺族様にはカタログ の中から商品を選び決めていただきます。
実際の商品を見学会で見ておくことでカタログではわからない商品の雰囲気や価格や素材を比較しながら決めるなどといったことが可能になります。 見学会では事前相談コーナーを設置しているので全体の流れや金額を商品を見ながらご説明させていただいたり、詳しく決めておくということも可能です。
会場では、少しでも役立つ情報を ご来場くださった方にお届けしたいという思いから商品の展示だけでなく「相続」や「遺言」「成年後見」をテーマにした「いざという時に役立つ法律セミナー」や「お葬儀の費用」に関するセミナー も開催しています。こういったセミナーには私たちの予想を上回る人数の方が参加してくださることもあります。
また、その他にご来場くださった方に楽しんでいただく催しも行っています。 例えば見学しながらちょっと一息ついていただけるように喫茶コーナーをご用意し、コーヒーやお抹茶、スィーツをお召し上がりいただけるようにしています。
新鮮な野菜や果物の販売、天然 酵母のパンの販売も行っています。ご来場の記念品として実際にご会葬のお礼の品物に使用されている礼品などを粗品としてお持ち帰りいただき商品の試食をしていただくということもあります。

 そして新たに三年ほど前から始めた取り組みとして「いのちのつながりの大切さ」をテーマとした講演会を行っています。私たちはお葬式のお手伝いをさせていただく中で忘れてはならない 大切なことに気づかされることがあります。
それは、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、その先に曾おじいちゃん、曾おばあちゃんがいて、命は遡っていくと宇宙の始まりまで 続いているということ。そしてその誰かが一人でもかけてしまうと自分はここにいないのだという奇跡です。
当たり前のことだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが私たちはこういったことを 日頃意識せずに過ごしてしまいがちです。講演会にはこれまで「いのちのまつり」という絵本の作家さんや、助産師さん、尼さんを講師としてお招きしてこのような「いのちのつながり」についての お話しをしていただきました。
会場には百五十名以上の方が講演を聞きに来てくださることもあり貴重なお話しに涙する方も多くいらっしゃいます。お帰りの際にいただくアンケートでは、 「初めて見学会に参加しましたがとても参考になりました」というお声や「このような講演会を続けてほしいです」「素晴らしいいお話に涙が止まりませんでした」というお声などたくさんの嬉しい お声をいただいています。

 私たちはお葬儀の現場で人と人との絆や心の美しい部分、反対に目を伏せたくなる現実など、様々な物を目にしそこから学ばせていただいています。そんな中でも「いのちのつながり」の大切さ に気付きもう一度家族の絆や命の尊さ、人と人の繋がりを見つめ直していくことは現代社会の多くの問題の解決の糸口になるのではと考えるようになりました。
それぞれの葬儀社でそれぞれの 見学会や催し、活動をしていると思います。ぜひ一度、地域の葬儀社がどんなことをしているのか目を向けてみていただければと思います。

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逆さごとをご存じですか?

 人が亡くなった時の作法事は、日常生活と違う風習で行われる事がたくさんあります。
「逆さごと」と言われています。例えば、お風呂の熱さを調整するときお湯に水を加えて丁度好い加減にしますが、湯灌をするときは盥に水を張り 上からお湯を入れて温度調節をします。これが「逆さ水」です。身体を拭くときも下から拭いていきます。枕もとの屏風を逆さに立てた「逆さ屏風」。着物の襟を左前にしたり旅支度の足袋の紐を立て結びにしたり・・・先人たちはなぜこんなことを したのでしょうか?
それはあの世は現実の世界と「あべこべ(はんたい)」になっていると考えていたからです。

何かの映画で観た記憶があったのですが、夜葬儀を執り行っていました。夜おこなっていたのは、昼と夜が逆なので明るいあの世に渡りやすいように、とのことだったようです。
大切な人を亡くすということは、私たちにとっても先人たちに とっても非常事態であり受け入れがたい事です。大切な人の死と向かい合い受け入れていくために人々は現実の生活と反対の事をすることによって、否が応でもその現実と向き合っていったのです。
わたしは先人たちの生活の知恵がそこにあるばかりではなく 優しさや家族の絆を感じます。

 「逆さごと」は現在ではあまり行われなくなったものもありますし、ご宗旨によっては必要ないと言われている事もあります。私は「逆さごと」を先人たちみたいに全てやりましょうと言うつもりはありません。
ただ、何事もスピードが要求される社会に あって、病院にお迎えに行った時すぐに「今日、通夜はできますか?」と家族から聞かれるたびに「もっと時間をかけてゆっくりお別れすればいいのに」と思う事もあります。
大切な人との最後の一時を悔いが無いものにするためにも、先人たちが生み出した 知恵から大切な事を学ぶ必要があるのではと思います。

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葬儀社選びは信頼感と安心感で

 このグラフは北九州葬祭業協同組合加入の葬儀社がその会社で葬儀を執り行ったお客様へのアンケートと聞き取り調査によって得た「依頼(選択)理由」をまとめたものです。

過去に依頼した経験あり 42件
事前相談をした     34件
知人・寺院からの照会  24件
くちコミ        21件
その他          7件

さらに、それぞれの回答を掘り下げてお尋ねしたところ
○過去に依頼経験ありでは
「そのときの葬儀で大変満足できたから」
「そのときに心のこもった対応をしていたから」
○事前相談をした では
「事前に話することで葬儀社の対応が良くわかり信頼感が持てたから」
「他社よりも詳しくわかりやすい説明で納得できたから」
○知人・寺院からの照会では
「お寺から(あの葬儀社は親切だから相談に行ってごらん) と言われたから」
○くちコミでは
「友人や近所の方から(あそこは良心的で親切だ)と聞いていたから」
○その他では
「他社と比較してみて」
といった内容が多く出されました。

この調査からお客様が葬儀社を選択する際のキーワードは「信頼・安心」だということがわかります。過去に葬儀をした会社を再度利用している方が多いのはその時の記憶で「いい葬儀社だったから安心だ」と判断されたからでしょう。
葬儀とは非日常のものであるため少なからず不安に感じるはずです。また、不安の中身はそれぞれのご家庭で異なるでしょう。費用のこと・寺院のこと・相続のこと・・・。しかし、いずれにしても信頼できる葬儀社を見い出せればそれらはスッキリと 解消するのです。
ではどうやって信頼・安心できる葬儀社を探すのか?この調査にもあるように「紹介やくちコミ」といった方法もあるでしょうが一番確実なのは実際に自分で調べてみる事です。どんな会社なのか、費用はどのくらいかかるのか、何を してくれる葬儀社なのかなどなど。調査の方法は簡単。「事前相談」をしてみれば良いのです。事前相談をすることでその葬儀社の信頼度・安心感をあなた自身で評価できます。

 相談は費用面だけではありません。その会社はどんな助言をしてくれるのか。文字通り相談なのですから皆さんの疑問・不安に的確に回答しさらに万が一のときまでに検討・準備しておくべき諸課題などを整理して提言できる葬儀社。どこで葬儀をしても役立つ 情報をきちんと提起できる葬儀社なら絶対に安心です。その逆に事前相談とは名ばかりの勧誘活動に終始するだけの葬儀社は葬儀の意義や意味を説明できないのかもしれませんね。
葬儀だけは絶対にやり直しがききません。そのときになって「名前を聞いた ことがある」といった程度の理由で葬儀社を選んでしまい後悔することの無いようにしていただきたいと願っております。

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